Case study
pattern planning
Case.06
老舗菓子メーカーの
強みを生かした新事業で、
コロナを逆手におうち需要拡大へ。
NOKKE| 食品・菓子・飲料
老舗菓子メーカーの強みを生かした
北海道産小麦100%のクラッカー
高齢者施設への出張マッサージをメイン事業としている「NKMネクスト株式会社」。高齢者との接触が多い業務上、2020年より日本で流行したコロナウイルスは会社にとって大打撃に。今まで通りに高齢者施設への訪問ができない状況下、代表取締役である坂尚憲さん(以下坂さん)は、従業員を守るため思索にふける日々。現状を早期に打破したいという一心で私たちに新事業の相談をしていただいたことが、このプロジェクトのはじまりでした。
実は“しおA字フライビスケット”でおなじみ「坂ビスケット(坂栄養食品)」の専務取締役という側面もある坂さん。そんな坂さんだからこそたどりついたのが、「坂ビスケット」とタッグを組むということ。これまでの技術を活かし、「北海道産小麦100%のクラッカー」を開発することになりました。
ありそうでなかった
「北海道産小麦100%」の
“手頃な”クラッカー
01
北海道産小麦100%のクラッカーを作るにあたって、美味しさを追求することはもちろんのこと、原料コストを抑えたり、製造工程を見直しするなど超えなくてはならない壁はたくさん。
しかし明治44年の創業から北海道民に長く愛されてきた実績を持つ「坂ビスケット」。これまでの歩みを振り返ると、その裏にはビスケット・クラッカーづくりの「ノウハウ・機材・販路」と販売に必要な全ての要素に強みがあることを再認しました。
クラッカーはとてもシンプルなつくりの焼き菓子。使用する小麦粉や職人の技術によって仕上がりに大きく影響が出るため、決して誰もが作れるものではありません。でも技術的財産と販売実績がある坂ビスケットなら、誰もが購入しやすい価格の北海道産小麦100%のクラッカー作りに挑むことができる。しかも道内唯一のビスケットメーカーとして、新たな地位を確立できる可能性もある。そんな確信と共に、100年以上“道民に愛される美味しい商品づくり”に徹してきた「坂ビスケット」らしい事業展開の新たな光が見えてきました。
02
北海道と言えばチーズ!
チーズとの相性をさらに追求
安全でおいしいというだけでは、商品を手にとってもらうことが難しい現代。消費者に「食べたい」という想いを抱いてもらうための独自性のあるコンセプトを定める必要性がありました。そこであらゆる可能性を“クラッカーを食べるシーン”から探り、辿り着いたのが「チーズをのせて食べる」という光景。
今回つくるクラッカーの原材料と同じように、日々道内各地では新鮮な牛乳をつかったおいしい“チーズ”がつくられています。思えば、ミルクランドと言われるほど乳製品が自慢の道産チーズの良さを最大限引き出せるのは「北道産小麦100%のクラッカー」ではないか。道産クラッカーがあれば、常に高まる“道産ブランド”のひとつとして近年盛り上がりをみせる道産ワインや道産チーズに、道産クラッカー合わせるという新スタイルの提案ができる。そうすれば市場拡大だけでなく、レストランやライフスタイルショップなどこれまで取引のなかったジャンルの販路にも提案できるかもしれない。ブランドとして目指す方向性やスタンスを固めることで、その後のビジネス展開まで一気に鮮明になりました。
その名もチーズをのせるクラッカーのブランド「NOKKE」の誕生です。
「NOKKE」を
魅力的に伝えていくための
基盤づくり
03
あとはブランドを作り上げていくのみ。限られた予算の中、ブランドを育てる上で必要不可欠な「ネーミング」「ロゴ」「パッケージ」制作のほかに、私たちから提案したのが「クラウドファンディングの立ち上げ」。クラウドファンディングは賛否両論ありますが、資金調達としての手段でありながらも、ページを作るための考える作業の中には、今後ブランド運営に欠かせない要素が溢れています。例えば原稿作成には「ブランドの成り立ち」「コンセプト」「商品詳細」と、これから誰かへ伝えることが必須になることを言語化するという一面も。また商品リリースをしたときにも、SEO対策としての効果も見込めます。いつも熱心で行動的な坂さんならきっと、この基盤さえあれば思い切り自走していけるという想いもあっての提案でした。
手に取ってもらう
シチュエーションを
想い描きながら
04
クラウドファンディングと並行してスタートしたパッケージ制作。市場リサーチの上で、どんな場所でどんな風に見えて、どんな価格で誰に手に取ってもらいたいのか熟考しました。主なターゲットは、商品のコンセプトである「チーズをのせて食べる」ことに馴染みのあるユーザー。そこでこれまでのおやつらしいトーンではなく、ワインボトルや食品雑貨と並んだ時にもより良質さを感じられるものをつくろうということに。見た目だけでなく実用面でも機能的にするために、開封しても湿気る前に食べ切れるサイズ感か、店頭で陳列された時に自立したまま安定するか、といったことも考慮しました。
こうして全ての要素を捉えながら目指したのは、手に取りやすい価格のままでも良質な商品であることが伝わり、思わず手にしたくなるパッケージ。“北海道生まれ”を視覚からも感じられるノルディック調のデザインで、チーズやワインと並んでも遜色なく、食卓にそのまま置くだけで空間そのものもおしゃれに見えるパッケージに仕上がりました。
05
ようやく「NOKKE」が動き出す。
準備も整い、いよいよ2022年5月にクラウドファンディングを開始。わずか2日目にして目標金額の60%を超える順調な滑り出しを経て、無事に目標を上回る309,177円でプロジェクトが終了しました。でもこれはまだスタートライン。いつの日か家庭やレストランで親しまれる“チーズに合うクラッカー”の定番になるための道をようやく見据えたところです。2022年11月の本リリースに向けて、現在はInstagramやBASEのデザインなどのプロモーション周りのお手伝いも。「NOKKE」と名付けた時に想い描いた光景を楽しみに、これからも一歩ずつの歩みを全力でサポートしていきたいと思います。
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