Case study
pattern planning
Case.3
生産者も消費者にとってもうれしいことをしたくて
北海道TEA| 食品・菓子・飲料
生産者も消費者もうれしいモノづくり
ワインのような風味を愉しめるお茶
開発のきっかけは、北海道 余市町でワイナリーを営む「余市のぼりんファーム(モンガク谷ワイナリー)」の木原さんとの会話。「ブドウの成長過程で、芽かきや葉とりを全て手作業でするんだけれど、何かいい活用方法ないかな。天ぷらとかにしても美味しいんだよ。」ワインを作るための大事なブドウづくり。そのブドウの成長を促す農作業として5月〜8月に行われる「芽かき」や「葉とり」があることを知り、生産者も消費者にとってもうれしいことはできないだろうかと考え、2019年に開発をスタートしました。
ブドウの生産者との何気ない会話からはじまった
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北海道TEAの誕生のきっかけは、北海道 余市町でワイナリーを営む「余市のぼりんファーム(モンガク谷ワイナリー )」の木原さんと「ブドウの成長過程で芽かきや葉とりを全て手作業でするんだけれど、何かいい活用方法ないかな。天ぷらとかにしても美味しいんだよ。」という何気ない会話をしていたことから。捨てている葉の新たな価値を見出すことで、生産者も消費者にとってうれしいことはできないだろうかと考え、お茶であれば加工できるかもしれないという想いから、2019年に開発をスタートしました。とはいえ、お茶の開発なんてやったことがない私たち。助けを求めたのは、「北海道立総合研究機構 食品加工研究センター」の副センター長である柳原さん。最初は半信半疑で、まずはやってみようという気持ちでしたが、試しに加工していただいたものを試飲してびっくり。とてもおいしかったのです。これは、商品化できるかもしれないという想いが募り、本格的にお茶を作るための試行錯誤がはじまりました。実際に農作業を手伝わせていただき、芽かき作業により葉一つ一つを採集するところからスタート。溢れるほど豊かな自然の中、海の見えるブドウ畑は、何もないところから土地を整えた愛情のこもった場所。生き物たちの住処を守るため、農薬をできるだけ使わず、人間の都合で排除することなく、共に生きるために工夫してブドウを育てる“生産者さんの優しい眼差し”と、暑い日差しの下、想像以上に“過酷な農作業”が印象に残りました。
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2年間という長い試作期間を経て開発の難しさを実感
2019年には、5種類の葉・茎を乾燥させた試飲実験を行い、品種別に色や味の違いがあり、お茶として美味しいことが判明。「煎茶製法」「紅茶製法」で試飲し、粉砕度合いの調整と抽出温度や時間の実験を行いました。2020年には「持続可能な暮らしや地域づくり」に取り組む「NPO法人北海道エコビレッジ推進プロジェクト」にもご協力いただき、無農薬の葉を採取。新たな品種も加わり4品種のワイン用ブドウ品種と4品種の食用ブドウ品種を、芽かきの時期別に採取し、「煎茶製法」「紅茶製法」で試作しました。そしてできあがった品種別・時期別の全32種類の試作品の官能試験を10代〜50代の協力者に実施。粉砕度合い調整・抽出温度や時間の再検討を経て、「ツヴァイゲルト」「セイベル」2品種のブレンドティーの製茶をすることに決定しました。また、商品化に向けて、専門機関にて農薬検査、生菌数検査などを行い商品の安全性の確認も行いました。クライアント様の仕事で商品化に関わることは多くありましたが、自分たちで一から作り上げる難しさや、想像以上の工程を経験することができたのは、何よりの収穫でした。関わってくださったみなさんには、頭が上がりません・・・。
北海道TEAと名付けた理由
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できあがったワイン用ブドウ若葉茶は、鼻から抜けるほのかなブドウの香りとワインのような風味を楽しめるお味。アルコールを飲めない方でも、ワインのように、時間や飲み方、温度によって、香りや味わいの変化をじっくりと楽しんでいただけます。このように北海道にまだ眠る未活用の素材と伝統文化や日本の技術、アイデアを加えながら"北海道の茶"を提案することで、生産者の想いと消費者の想いをつなげる新たな接点となり、北海道のワイン文化・食文化を盛り上げるきっかけ作りができたらと、ブランドを「北海道TEA」と名付けました。
そして、2021年に商品化へ
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ロゴやパッケージ等のデザインは、私たちのブランディングパートナーである「NEW.inc」にお願いしました。ロゴマークは「北海道産のお茶」という、これまでにない三方よしの先進さをスタイリッシュな北海道のフォルムで表現。全体的なフォルムは日本の和のイメージを残しながら、Made in 北海道のブランドが世界へ向かっていく勢いとスピード感も意味しています。2021年ついに商品化に至りました。試飲にご協力いただいたレストラン関係者等、リリース前から既に、評判の声をいただいております。2020年産の茶葉は少量しか確保できなかったこともあり、2021年産はより多くの生産者と連携を図り、多くの方に飲んでいただける機会を作っていきたいと思っています。
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