Case study
pattern planning
Case.1
ゲストハウスの
魅力が高まる
ブランドづくり
Spice Local| 飲食店・カフェ
ゲストハウスの間口を広げる
ローカルが集まる場作りとは?
「旅人にローカルを」をテーマに、北海道やメキシコなどでゲストハウスを展開するTen to Ten。ゲストハウスというハード面の提供価値だけではなく、地域と旅人をつなぐ「ヒト・モノ・コト」のプラットフォームになりたいという想いを持っていらっしゃいました。しかし、課題としては、ゲストハウスという性質上、膨大な予算をかけた広告や設備投資などをしても採算が合わないということもあり、ブランドを強化していくための方向性や方法に悩まれていました。また、旅人にローカルを体験してほしいという思いはあるものの、ゲストハウスを訪れる人の9割は旅人なので、ローカルの人々との交流ができる場面を作るための場作りも必要な状況でした。
Ten to Tenの強みをみんなで共有する
01
最初に相談を受けたのは2020年のはじめ。国内外から北海道に旅人が集まってきている中で、さらなるTen to Tenブランドの市場優位性を磨き、ファンを増やしていくことで、宿泊予約サイトの集客から脱却したいということから、ブランドの強化策を検討していくことになりました。現状把握としては、立地、設備、接客レベルも宿泊予約サイトの口コミは高評価。ハードはすでに揃っている部分も多いからこそ、ゲストハウスを運営する企業という枠に止まらず、世界中にある地域や人の可能性や価値を磨き、つながっていくための取り組みを行うことで、価値感に対して共感を得ながら、指名してくれるようなファンを増やしていこうということになりました。
02
旅人>ローカル ではなく、旅人=ローカル
Ten to Tenの付加価値は、“旅人がローカルと自然な交流ができること”。この“自然な”というところを大切にしました。そこで、施設の1Fにあったカフェバーを活用したプロジェクトの検討を進めていきました。従来は、ゲストハウスに併設しているロビーにあるカフェバーなので、ローカルが利用するというよりは旅人同士やスタッフ、一部の常連や国内ゲストが利用することがほとんどでした。しかし、ゲストハウスに訪れた旅人が自然にローカルに触れるためには「共通の話題」と「ローカルがいつも集う場」を作ることが求められていました。旅人に、もっとローカルの雰囲気や文化、土地柄、話題、トレンドなどに触れてもらうために、このカフェバーをブランド化していこうという機運が高まっていきました。
旅人とローカルが
スパイスで
つながる?
03
そこで、世界中から集まる旅人とローカルが「スパイス」を共通の話題として交流できるスパイスカフェの構想を練りました。旅人は地域や自国のスパイスについて語り、Ten to tenは、世界中のスパイスと北海道の食材やスパイスハーブを融合し、カフェという誰もが気軽に触れることができる場で表現。旅人とローカルを強制的に交流させようとするのではなく、「旅人とローカルの共通話題」を磨き上げることで自然とスタッフや隣の人同士が交流できるようなイメージが膨らんでいきました。カフェの名前は、あえてTento Tenというゲストハウスの名前を全面的に出さずに、普通のカフェがゲストハウスの1階に入っているような感覚で訪れてほしいという想いから「SPICE LOCAL」に。そして、このタイミングで、世界中を旅した経歴を持つYukiさんというキッチンマネージャーが産休から復帰できるという知らせが入りました。
SPICE LOCALの
オープンへ向けて
04
構想を練っている途中で、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻な状況となり、観光客も激減し、ゲストハウスの運営を支えるものとしてもカフェが担う責務は大きくなりました。そのため、カフェのオープンも急ピッチで進めることになりました。誰もが訪れることができる場所にしたいので、来店頻度や客層の幅を考え、あえて飲食店ではなく「カフェ」にこだわりました。そして名物は「スパイスチーズケーキ」と「スパイスカレー」。誰もが馴染みやすいものにスパイスを取り入れ、カフェで気軽に楽しむことができるところを着地点としました。札幌市内のスパイス料理店やカフェのマーケットの中で、どのようなお客様やシーンにご利用いただけるかを念頭に置きながら、メニュー構想を広げ、今の人員で可能なオペレーションの範囲ではじめてみることにしました。メニューアイディア、試食、食器のセレクト、SNS運用をお手伝いさせていただき、社員のみなさんと役割分担をしながら、オープン前の告知は、広告費をかけずにInstagramとFacebook、webのみで行いました。
無事オープン。
そしてここからも勝負
05
2020年7月23日、無事オープンを迎えました。オープンと同時に地元のお客様がどんどんとお店に入店!名物としていたスパイスカレーも食数限定で連日昼過ぎには完売。スタッフのみなさんのオープンまでの集中と気力と努力の賜物でした。初開催で大人気イベントとなった「札幌カリーキングダム2020」にも名だたるスパイスカレー店の中にSPICE LOCALも参戦できる機会もあり、認知度も高まっています。
コロナの影響を受ける中でも、「今、自分たちにできることを一生懸命取り組む」という熱意により、Instagramのストーリーズもほぼ毎日更新し、時には行列ができる日も。キッチンマネージャーYukiさんはじめ、スタッフの皆さんのアットホームな接客によるファンも急増中。コロナが終息し、地元ゲストに愛されるSPICE LOCALに世界中の観光客が戻ってきてくれたら、ますます楽しい第二ステージの幕開けになると思う。
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